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産後は太りやすい!?事前の対策や産後太りしてしまった時の対処法まとめ
妊娠中に体重がUPしてしまい、産後しばらくしてもいっこうに減る気配がない…このような産後太りに悩んでいる人はいませんか?
東北文化学園大学が産後10か月の女性219人を対象に行った調査によると、実に4割近くの人が妊娠前より体重が増えたままであることが分かりました。
美容的な問題だけでなく、健康面にも影響を及ぼしかねない産後太り。
この記事では、産後太りの原因や対策、解消法を詳しく解説します。
参考:木村涼子. “産後 10 か月女性の体重復帰と母乳率, 食習慣及び美容意識の関連.” 東北文化学園大学看護学科紀要 .2015,vol.4,no.1,p.11-18
産後に太りやすい原因
妊娠中はお腹の中の赤ちゃんに充分な栄養を届けるため、体内の血液や水分量が増加します。赤ちゃん自体の重さもあり、妊娠前より10㎏程度体重が増加するのが一般的です。
しかし、産後も体重が元に戻らず太ってしまい悩む人は多いです。産後に太りやすいのは次の5点が原因です。
- 基礎代謝の低下
- 骨盤の歪み
- 運動不足
- 食生活と生活習慣の乱れ
- ストレス
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
基礎代謝の低下
妊娠中は赤ちゃんに充分な栄養を届けるため、身体が脂肪や水分をためやすい状態になっています。
一方で、妊娠中は体重増加やつわりの影響で必然的に活動量が低下します。
妊娠前に行っていた激しいスポーツや登山などの趣味も、赤ちゃんの安全を守るために控えるのが一般的です。
活動量の低下により筋力が減り、基礎代謝も低下します。
そのため妊娠前と同じ生活をしても産後は痩せにくく太りやすくなります。
妊娠中にためた脂肪や水分を消費できず産後太りになりやすいです。
骨盤の歪み
女性の骨盤は普段、固く靱帯によって結ばれ閉じています。出産時は赤ちゃんが生まれてきやすいように靱帯がゆるみ骨盤が開き、産後再び閉じていきます。
しかし出産前に骨盤が歪んでいた場合、歪んだまま閉じてしまいます。
歪んだ骨盤では身体に余計な負荷がかかり、筋肉が左右不均等につく・身体が上手く使えず脂肪がつきやすくなるといった問題が起こりやすくなります。
運動不足
産後すぐは体力・筋力が低下しており、妊娠前と同様に運動をするには難しいです。
加えて産後は赤ちゃんの育児や家事で手いっぱい。
自分1人で運動するような時間は取りにくいものです。
こうして妊娠中から産後も運動不足の状態が続きます。妊娠中に増えた脂肪をなかなか消費できないために産後太りにつながります。
食生活と生活習慣の乱れ
出産後はレプチンというホルモンが減り、グレリンというホルモンの分泌が増えます。
レプチンには満腹中枢を刺激し、食欲を抑える働きがあります。
そしてエネルギー消費を増大させるホルモンです。
一方、グレリンは食欲を亢進させるホルモン。つまり出産後は2つのホルモンの影響で、自然に食欲が増進し、バランスの悪い食生活になりやすいのです。
また、出産後は朝昼夕関係なく、授乳をはじめ赤ちゃんの世話中心の生活となります。
自分の睡眠・食事といった生活に気を向けることが難しくなり、すぐ食べられるものやつまめるもので食事を済ませがちになる人が多いです。
まとまった睡眠を取ることもできず、規則正しい生活はほぼ無理に等しいでしょう。
食生活や生活習慣の乱れは自律神経の乱れを引き起こし、身体全体の機能や代謝の低下につながり産後太りの原因となってしまいます。
ストレス
出産後は慢性的な睡眠不足や心身の疲れが蓄積します。家事もこなさなければならず、自分1人でゆっくり過ごせる時間はほぼなく、ストレスがたまってしまうことも。
ストレスを感じると、体内ではコルチゾールというホルモンが分泌されます。
適度な量のコルチゾールは身体の炎症、痛みやこわばりを緩和し血糖値を安定させるなどの効果があります。
しかしコルチゾールは量が増えすぎると、代謝や血糖値に悪影響を及ぼし脂肪をため込む性質があります。
過度なストレスにより過剰な量のコルチゾールが分泌され、太りやすくなってしまうのです。
産後太りしないための対策
産後太りをしないための対策はあるのでしょうか。
あります!ここでは、産後太りを防ぐための方法3点を解説します。
下記に産後太りを回避するポイントをまとめました。
ポイント1 | ポイント2 | ポイント3 |
体重を増やしすぎない | 妊娠・出産前に骨盤の歪みを整える | 妊娠中は適度に身体を動かす |
妊娠中に体重を増やしすぎない
妊娠中の体重増加は健康な赤ちゃんを生むためには必要なことですね。ただ増えすぎは産後太りにつながる恐れがあります。
下の表1は厚生労働省によって作成された、妊娠前のBMI別推奨体重増加量を表したものです。これによると12㎏未満の増量が適正であると言えます。
続いて表2は同じく厚生労働省によって作成された、BMI別妊娠中期~末期の1週間あたりの推奨体重増加量です。
出典:厚生労働省 「健やか親子21」推進検討会.”妊娠期の至適体重増加チャート”.妊産婦のための食生活指針.2006-02
上記の数値を目安として、妊娠中は下記の生活を心がけ、過度の体重増加にならないよう気を付けましょう。
- 毎日体重をはかり、体重管理を行う
- タンパク質をしっかり取り、糖類や油の多いものは控える
- 無理のない範囲で身体を動かす
妊娠・出産前に骨盤の歪みを整える
出産後に骨盤が歪んだまま閉じてしまうことのないよう、妊娠・出産前に骨盤の歪みを整えましょう。骨盤矯正のメニューのある整体で診てもらうのも良いでしょう。
また、普段から脚を組む癖のある人や片側重心になりやすい人は、意識して正しい姿勢を取ることが必要です。出産後、骨盤周辺のバランスが崩れないよう妊娠前から意識したいですね。
妊娠中は適度に身体を動かす
妊娠中に適度に身体を動かすことは、体重の過度な増加を防ぎストレス解消の効果も期待できます。産婦人科によっては、マタニティヨガ、体操といったプログラムを行っていることも。
運動は無理のない範囲で、体調を最優先に行いましょう。下記は日本臨床スポーツ医学会推奨の妊婦スポーツの安全管理基準の一部です。運動を行ってはいけないケースも記載されています。ぜひ一度確認してみて下さい。
- 心拍数で150 bpm以下、自覚的運動強度としては「ややきつい」以下が望ましい。
- 週2~3回で、1 回の運動時間は60分以内とする。
出典:一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会.”妊婦スポーツの安全管理基準”.日本臨床医学会誌.Vol13,2005,p.276-281
産後太りしてしまったら?
妊娠中も赤ちゃんが生まれた後も、気をつけてはいたものの産後太りしてしまった…。このような場合解消する方法はあるのでしょうか?
ここでは産後太りしてしまった場合の対処法についてお伝えします。
焦らない
産後太りしてしまったからと焦りすぎないようにしましょう。出産時、身体には大変大きな負担がかかっています。急なダイエットは効果が出にくい上、身体を壊す可能性もあります。
まずは身体をしっかりと回復させることを優先しましょう。無理は禁物です。
睡眠時間をしっかりと取る
ダイエットに取り組める身体に戻すためには、身体の出産時の負荷を回復させる必要があります。回復には睡眠時間をしっかりと取ることがもっとも大切です。
とは言え、出産後は育児・家事でなかなかまとまった睡眠時間を取ることができませんよね。妊娠前や出産前からパートナーや周囲の人としっかり話をして、育児や家事に協力してもらうようにしましょう。
参考:日本医事新報社.”なぜ女性は出産後・中年期以降に太りやすい?【肥満の生物学的意義】”.Web医事新報.2016-10